面接の深掘りに耐える|同じ話を四回掘られても中身が続く作り方
面接の準備というと、話せるエピソードを増やす方向に走りがちです。しかし実際に落ちるのは、話し始めたエピソードを二回三回と掘られて、答えが尽きる場面です。数を増やすより、一つを深くするほうが効きます。
掘られる観点は、決まっている
面接官が重ねて聞いてくるとき、聞いている中身はおおむね五つに収まります。何が来るか分かっていれば、先に用意できます。
自分のエピソードについて、この五つすべてに答えられるかを確かめてください。一つでも空いていれば、そこで止まります。
- 目的: なぜそれに取り組んだのか
- 困難: 何が難しかったのか
- 結果: どうなったのか。数字で言えるか
- 役割: その中で自分は何をしたのか
- 判断: なぜそう決めたのか。他の選択肢は考えたか
「判断」が、いちばん空いている
五つのうち、多くの人が用意していないのが「判断」です。何をしたかは話せても、なぜその方法を選んだのかを聞かれると止まります。
選ばなかった方法を一つ思い出しておいてください。「別のやり方も考えたが、こういう理由でこちらにした」と言えると、そこから先が続きます。
考えていなかった場合でも、後から振り返って理由を言葉にしておけば構いません。当時その場で考えていたことにする必要はありません。
話す例
手順書を作るか、指導する人を一人に固定するかで迷いました。人を固定するとその人の負担が偏るので、手順書のほうを選びました。作るのに時間はかかりますが、次の年も使えます。
言い換えただけの答えは、続きと見なされない
掘られたときに、前と同じ内容を別の言葉で言い直してしまうことがあります。話している側は答えたつもりでも、聞いている側には中身が増えていません。
掘られたら、新しい事実を一つ出してください。別の場面、迷った点、うまくいかなかったこと。どれでも構いません。事実が増えていれば、答えになります。
対話型のAI面接では、これがそのまま採点の対象になります。人の面接官は途中で切り上げますが、AIは切り上げません。
うまくいかなかった話も、用意しておく
「その取り組みで、うまくいかなかったことはありますか」はよく聞かれます。成功だけを話していると、ここで止まります。
失敗を話すと評価が下がるように感じますが、逆です。うまくいかなかった点を自分で分かっていることが、振り返りができる人だという材料になります。
失敗を挙げ、そのとき何を変えたかまで話してください。挙げるだけで終わると、ただの反省になります。
エピソードは、いくつ要るか
深く用意したものが二つあれば、たいていの面接は足ります。三つ目を浅く足すより、二つ目を深くするほうが安全です。
一つしか無い場合、同じ話を別の質問でも使うことになります。そのときは繰り返しであることを認めたうえで、今回の質問に沿う角度から述べてください。同じ説明をなぞると、話が一周したように聞こえます。
話す例
先ほど申し上げた手順書の件になりますが、そのときは進め方を決める側でした。今回のご質問にある「反対された経験」で言いますと、同じ取り組みの中で先輩二人から反対を受けています。
準備の順番
紙に書き出すのが確実です。頭の中だけだと、空いている箇所に気づけません。
- エピソードを一つ選ぶ
- 目的・困難・結果・役割・判断の五つを、それぞれ二、三文で書く
- 結果に数字を入れる(人数・期間・割合・金額のどれか)
- 選ばなかった方法を一つ書き足す
- うまくいかなかった点と、そのとき変えたことを書き足す
- 二つ目のエピソードで、同じことをする