AI面接の対策|対話型と録画型で、通る答え方が違う
選考にAI面接が入っていた。人が相手ではないので、何を見られているのか分からない。対策の記事を読んでも、書いてあることがばらばらで判断できない。原因の多くは、AI面接に型が二つあり、それぞれ通る答え方が違うのに、区別せずに語られていることです。
まず、どちらの型かを確かめる
AI面接は大きく二つに分かれます。案内メールや受験ページを見れば、どちらかは分かります。
対話型は、AIが質問し、答えると次の質問が返ってくる形です。会話が続きます。録画型は、質問が表示され、決められた時間で自分の映像を録画して送る形です。会話にはなりません。
この二つは、対策すべき点がほとんど重なりません。先にどちらかを確かめてください。
- 対話型: 答えに応じて次の質問が変わる。所要時間が長め(40〜60分程度のことが多い)
- 録画型: 質問が固定で、1問ずつ録画する。1問あたり数分
- どちらも24時間受験できることが多く、締切までなら好きな時間に受けられる
対話型は、1つの話題を続けて掘られる
対話型でいちばん多い失敗は、浅い答えのまま掘られ続けて底が見えることです。人の面接官なら「もう充分」と切り上げますが、AIは切り上げません。
1つの話題につき4〜6回ほど続けて掘られることを見込んでおいてください。掘られる観点はおおむね決まっています。
つまり、話す経験を1つ決めたら、その1つについて上の5点すべてに答えられる状態にしておく必要があります。エピソードの数を増やすより、1つを深くしておくほうが効きます。
- 目的(なぜ取り組んだか)
- 困難(何が難しかったか)
- 結果(どうなったか。数字で)
- 役割(自分は何をしたか)
- 判断(なぜそう決めたか)
抽象的な言葉で答えると、必ずもう一度聞かれる
「コミュニケーション力を活かしました」「工夫して改善しました」のような答えは、対話型では必ず掘り返されます。具体を持っていないと、そこで止まります。
先に具体を出しておくほうが、結果的に楽になります。数字と固有名詞を入れてください。人数、期間、割合、金額のどれかがあれば、掘られたときに答えが続きます。
話す例
アルバイト先で新人研修の手順書を作りました。三か月で新人六人が対象です。以前は指導する人によって教える順番が違い、覚え直しが起きていました。私は先輩四人に聞き取りをして、作業の順番を一つに決めました。研修にかかる日数は平均で五日から三日に減りました。
録画型は、考える時間と話す時間が決まっている
録画型では、質問が表示されてから考える時間が与えられ、そのあと録画が始まります。考える時間は30秒から2分程度、話す時間は1分から4分程度に設定されていることが多いです。
撮り直しができるかどうかは、企業の設定によって変わります。できる前提で臨むと、できなかったときに立て直せません。案内に明記がなければ、一発勝負のつもりで準備してください。
時間が余ることを恐れて引き延ばすより、短くても筋の通った話で終えるほうが安全です。時間切れで途中で切れると、結論を言わないまま終わります。結論を先に置いてください。
採点されているのは、中身と話し方
AI面接で見られているのは、答えの中身と、話し方の両方です。中身の側は、おおむね次の観点で見られます。
話し方の側では、言い淀みの多さ、話す速さ、長い沈黙が材料になります。同じ言い回しの繰り返しも、内容が続いていないと見なされます。
日本語の面接では、1分あたり300字から400字くらいが聞き取りやすい速さです。速すぎると内容が追えず、遅すぎると間延びします。一度、自分の答えを声に出して測ってみてください。
- 構成: 結論から述べ、筋道が追えるか
- 具体性: 数字と固有名詞があるか
- 自分の行動: 自分が何をしたかが分かるか
- 深掘り耐性: 掘られても中身が続くか
- 一貫性: 話が食い違わないか
表情は採点されているのか
「表情や視線で評価される」という説明を見かけますが、現在は事情が変わっています。
録画型の代表であるHireVueは、2021年に表情の解析を採点から取りやめています。表情の出方が定型的でない人を不利にするという批判を受けたためです。
欧州連合のAI法は、職場での感情の推定そのものを禁じています。2025年から適用されており、国際的には表情を採点に使わない方向へ動いています。
とはいえ、どの企業がどこまで見ているかを受験者が確かめる方法はありません。表情を作り込む練習に時間を使うより、中身と話し方を整えるほうが確実です。カメラに正対して、聞き取れる声で話せていれば充分です。
準備の順番
やることは多くありません。順番だけ決めておけば足ります。
- 案内を読んで、対話型か録画型かを確かめる
- 話す経験を1つ決める。数を増やさず、1つを深くする
- その経験について、目的・困難・結果・役割・判断の5点に答えられるようにする
- 結果に数字を入れる(人数・期間・割合・金額のどれか)
- 声に出して読み、1分あたりの字数を測る。300〜400字を目安に調整する
- 録画型なら、撮り直しができない前提で1回通してみる